酸っぱすぎないタルトシトロンの作り方|レモンカードとメレンゲを美しく仕上げるコツ
「レモンカードが固まらず、切った瞬間に流れてしまった」「卵が固まってクリームが粒々になった」「メレンゲから水分が出た」という経験はありませんか。
タルトシトロンをきれいに仕上げるには、レモンカードを焦らず加熱することと、完全に冷やしてからメレンゲをのせることが重要です。
今回は焼成済みの18cmタルト台を使用し、甘酸っぱいレモンカードとイタリアンメレンゲを重ねます。タルト生地の作り方は繰り返さず、タルトシトロン特有の工程へ内容を絞って解説します。
この記事で分かること
- 18cm型で作るタルトシトロンのレシピ
- シトロンの意味と正しいフランス語表記
- なめらかなレモンカードを作る方法
- レモンカードが固まらない原因と対処法
- 崩れにくいイタリアンメレンゲの作り方
- プロレシピのような見た目に仕上げるコツ
- タルトシトロンのカロリー目安
- シトロンヴェールとタルトンシトロンの意味
タルトシトロンとは
タルトシトロンは、サクサクしたタルト台へ、レモン果汁、卵、砂糖、バターで作ったレモンクリームを詰めたフランス菓子です。
レモンの強い酸味とバターのコクが特徴で、メレンゲをのせるタイプとのせないタイプがあります。甘いメレンゲを組み合わせると、レモンの酸味が和らぎ、口当たりも軽くなります。
シトロンとはフランス語でレモンのこと
「citron」はフランス語でレモンを意味します。フランス語でレモンタルトは「Tarte au citron(タルト・オ・シトロン)」です。
| 日本で使われる表記 | フランス語 | 意味 |
|---|---|---|
| タルトシトロン | Tarte au citron | レモンタルト |
| メレンゲタルトシトロン | Tarte au citron meringuée | メレンゲをのせたレモンタルト |
| シトロンヴェール | Citron vert | ライム |
| タルト・オ・シトロンヴェール | Tarte au citron vert | ライムタルト |
フランス語の「citron vert」は、直訳すると緑色のレモンですが、一般的にはライムを指します。
タルトンシトロンは別のお菓子?
「タルトンシトロン」は一般的なフランス菓子名ではありません。「タルト・オ・シトロン」または「タルトシトロン」を続けて聞いたことによる表記揺れや、入力間違いの可能性が高いでしょう。
タルトンシトロンを探している場合も、基本的にはレモンクリームを詰めたタルトシトロンのレシピで目的を満たせます。
18cm型で作るタルトシトロンレシピ
直径18cmの焼成済みタルト台を1台使用します。作業時間は約50分、冷やす時間は3時間以上が目安です。
今回は切り分けたときに流れにくいよう、少量のコーンスターチを加えたレモンカードを作ります。
材料
レモンカード
| 材料 | 分量 |
| 焼成済みの18cmタルト台 | 1台 |
| レモン果汁 | 80g |
| レモンの皮 | 1個分 |
| 全卵 | 1個 |
| 卵黄 | 2個分 |
| グラニュー糖 | 90g |
| コーンスターチ | 5g |
| 無塩バター | 70g |
イタリアンメレンゲ
| 材料 | 分量 |
| 卵白 | 2個分・約60g |
| グラニュー糖 | 120g |
| 水 | 35g |
レモンの皮を使用する場合は、よく洗い、食品への使用に適したものを選んでください。皮の内側にある白い部分まで削ると、苦味やえぐみが出やすくなります。
下準備
- タルト台を完全に冷ましておく
- バターを1~2cm角に切り、室温へ戻す
- レモンの表面にある黄色い部分だけを削る
- レモンを搾り、果汁をこして種を取り除く
- 卵を冷蔵庫から出しておく
- メレンゲ用のボウルと泡立て器の油分を拭き取る
市販のタルト台が浅い場合は、レモンカードが余ることがあります。すべて流さず、残りは小さな容器へ入れて冷蔵してください。
レモンカードを作る
ボウルへグラニュー糖とコーンスターチを入れ、粉のかたまりがなくなるまで混ぜます。全卵と卵黄を加え、泡立てないように溶きほぐしてください。
レモン果汁と削った皮を少しずつ加え、均一になったら小鍋へ移します。
弱めの中火にかけ、耐熱性のゴムベラで鍋底と側面を絶えず混ぜます。とろみがつき、クリームの表面に小さな泡が出てきたら、さらに20~30秒加熱して火を止めましょう。
レモンクリームは急に固くなるため、鍋から離れないことが重要です。富澤商店の基本レシピでも、レモンクリームは加熱後に裏ごしして仕上げています。
バターを加えてなめらかにする
加熱したレモンカードを細かいざるでこし、卵のかたまりやレモンの皮を取り除きます。
ときどき混ぜながら少し冷まし、触れると温かい程度になったら、室温へ戻したバターを3回に分けて加えてください。
その都度ゴムベラやハンドブレンダーで混ぜ、つやのある状態にします。ハンドブレンダーを使う場合は、刃を液面から出さず、空気を入れないように混ぜましょう。
タルト台へ流して冷やす
レモンカードをタルト台へ流し、パレットナイフやスプーンの背で表面を平らにします。
表面へ密着させるようにラップをかけ、冷蔵庫で3時間以上冷やしてください。レモンカードが温かい状態でメレンゲをのせると、メレンゲが溶けたり、水分が出たりする原因になります。
イタリアンメレンゲを作る
小鍋へグラニュー糖と水を入れ、中火にかけます。加熱を始めたらスプーンなどで混ぜず、鍋を軽く揺らす程度にしてください。
シロップが110℃程度になったら、別のボウルに入れた卵白を泡立て始めます。柔らかな角が立つ直前まで泡立てましょう。
シロップが118℃になったら火を止め、泡立てている卵白へ細く流し入れます。泡立て器やボウルの側面へ直接かけると、シロップが固まって飴状になるため、メレンゲを狙って注いでください。
すべて注いだら高速で泡立て、つやのある固い角が立ち、ボウルが人肌程度まで冷めたら完成です。
118℃のシロップを使うイタリアンメレンゲは、プロによるタルトシトロンのレシピでも採用されています。
加熱直後のシロップは非常に高温です。素手で触れず、子どもやペットが近づかない場所で作業してください。
メレンゲを絞って仕上げる
冷えたタルトシトロンの表面へ、口金をつけた絞り袋でメレンゲを絞ります。絞り袋がない場合は、スプーンで全体へ広げ、先端を軽く持ち上げて模様を作ってください。
バーナーをメレンゲから少し離し、一か所へ熱を当て続けないように動かしながら焼き色をつけます。
バーナーがない場合は、粉糖を薄く振り、220℃に予熱したオーブンで2~4分ほど焼き色をつけます。焦げやすいため、オーブンから離れずに確認しましょう。
仕上げにレモンの皮やピスタチオを少量散らすと、プロレシピのような見た目に近づきます。
レモンカードとメレンゲの失敗原因

| 失敗 | 主な原因 | 対処法 |
| レモンカードが固まらない | 加熱不足、材料の計量違い | 弱火で再加熱してとろみをつける |
| クリームが粒々になった | 火が強い、混ぜる手を止めた | 加熱後すぐに裏ごしする |
| 酸っぱすぎる | レモン果汁が多い、砂糖が少ない | メレンゲを添えて甘味を補う |
| バターが分離した | クリームが熱すぎる | 少し冷ましてからバターを加える |
| メレンゲが緩い | 泡立て不足、ボウルに油分が残っている | 道具の油分を拭き、冷めるまで泡立てる |
| メレンゲから水が出る | 温かいカードへのせた、長時間保存した | カードを冷やし、食べる当日に仕上げる |
レモンカードが完全な液体のままの場合は、タルト台へ流す前に鍋へ戻し、混ぜながら再加熱してください。
タルト台へ流した後に固まらないことへ気づいた場合は、きれいに取り出して再加熱するのが難しいため、冷蔵庫で一晩冷やしてから状態を確認しましょう。
プロレシピのように仕上げるコツ
レモンの皮を砂糖になじませる
削ったレモンの皮をグラニュー糖へ加え、指先ですり合わせてから卵と混ぜると、レモンの香りが広がりやすくなります。
白い部分には苦味があるため、黄色い表面だけを薄く削ってください。
卵を泡立てない
卵へ空気を含ませすぎると、加熱中に細かい泡が残り、レモンカードの表面がきれいに整いません。
泡立て器を大きく動かさず、材料を均一にするように混ぜましょう。
レモンカードを裏ごしする
加熱後に裏ごしすると、卵の小さなかたまりやレモンの皮を取り除けます。口当たりがなめらかになり、表面も整えやすくなります。
ハンドブレンダーで乳化させる
バターを加えた後にハンドブレンダーで混ぜると、水分と油分がなじみ、つやのあるレモンカードに仕上がります。
空気を入れると白っぽくなるため、刃をクリームの中へ沈めたまま動かしてください。
メレンゲは食べる当日にのせる
タルト台とレモンカードは前日に準備できますが、メレンゲは時間がたつと表面が湿りやすくなります。
見た目と食感を保ちたい場合は、食べる当日に絞り、提供する直前に焼き色をつけましょう。
タルトシトロンのカロリー目安
今回のタルトシトロンは、8等分した場合で1切れ約295~325kcalが目安です。
| 食べる量 | カロリー目安 |
| 18cmホール全体 | 約2,350~2,600kcal |
| 1/8切れ | 約295~325kcal |
| メレンゲなしの1/8切れ | 約235~265kcal |
タルトシトロンはレモンを使った爽やかな見た目ですが、タルト台、バター、砂糖を多く使用します。一般的なフルーツタルトと比べても、必ずしも低カロリーではありません。
数値は文部科学省の食品成分情報を参考にした概算です。使用するタルト台、バター、砂糖、メレンゲの量によって変わるため、正確な数値は各商品の栄養成分表示から計算してください。
カロリーを抑えたい場合は、メレンゲを全面へ厚く絞らず、小さく絞って飾る方法が適しています。砂糖だけを大幅に減らすと、メレンゲが安定しにくくなるため注意しましょう。
シトロンヴェールのタルトへアレンジ
シトロンヴェールは、フランス語でライムを意味します。レモンの代わりにライムを使ったものが「タルト・オ・シトロンヴェール」です。
基本レシピのレモン果汁80gを、次のように置き換えます。
- ライムの風味を強くする:ライム果汁80g
- 酸味を穏やかにする:ライム果汁60gとレモン果汁20g
- 香りだけ加える:レモン果汁80gにライムの皮1個分
ライムはレモンより香りが青々しく、品種や個体によって苦味や酸味が異なります。果皮の白い部分を削らず、果汁は一度こしてから使用してください。
緑色を強調したい場合でも、食用色素を入れすぎると人工的な色になります。ピスタチオやライムの皮を仕上げに散らすと、自然なシトロンヴェールらしさを表現できます。
タルトシトロンの保存方法
完成したタルトシトロンは、乾燥とにおい移りを防ぐため、ケーキカバーや密閉容器へ入れて冷蔵します。
メレンゲまで仕上げた場合は、当日から翌日までを目安に食べ切るのがおすすめです。時間がたつほどメレンゲから水分が出やすくなり、タルト台も柔らかくなります。
前日に準備する場合は、次の状態で保存しましょう。
- タルト台:密閉して常温または商品の表示に従って保存
- レモンカードを詰めたタルト:冷蔵保存
- イタリアンメレンゲ:食べる当日に作る
- レモンの皮やピスタチオ:提供直前に飾る
完成品の冷凍は、解凍時にメレンゲから水分が出やすいため、あまり向いていません。
タルトシトロンに関するよくある質問
タルトシトロンを作る際に迷いやすい、材料の代用や作るタイミングについてまとめました。
市販のタルト台でも作れますか?
作れます。レモンカードを流す前に、焼成済みの商品であることを確認してください。
浅いタルト台にはレモンカードがすべて入らない場合があります。縁からあふれない量まで流し、余ったカードは別容器で冷やしましょう。
市販のレモン汁でも作れますか?
作れます。ただし、生のレモンを使った場合よりも果皮の香りが弱くなります。
市販のレモン汁を使う場合は、食用に適したレモンの皮を少量加えるか、仕上げにレモンの皮を削ると香りを補えます。
メレンゲなしでも大丈夫ですか?
メレンゲなしでも作れます。メレンゲを省く場合はレモンの酸味を直接感じやすいため、レモンカードのグラニュー糖を10g程度増やしてもよいでしょう。
粉糖、ピスタチオ、薄切りレモンなどを飾れば、メレンゲなしでも華やかに仕上がります。
温度計がなくてもイタリアンメレンゲを作れますか?
シロップの状態から判断する方法もありますが、温度を誤るとメレンゲが緩くなったり、シロップが固まったりします。
失敗を減らすためには、製菓用の温度計を使用し、118℃を目安にする方法がおすすめです。
レモンカードだけ前日に作れますか?
作れます。表面へ密着させてラップをかけ、冷蔵保存してください。
翌日に軽く混ぜてからタルト台へ詰めることもできますが、冷えると固くなるため、表面を平らに整えたい場合は温かいうちにタルト台へ流す方法が適しています。
タルトシトロンは妊娠中でも食べられますか?
卵を十分に加熱したレモンカードと、適切に作ったイタリアンメレンゲを使用したものを選びましょう。
市販品は保存方法や原材料を確認し、手作りの場合は冷蔵保存して早めに食べてください。体調や食事制限に不安がある場合は、医師などの専門家へ相談しましょう。
まとめ
タルトシトロンは、フランス語で「Tarte au citron」と表記するレモンタルトです。サクサクしたタルト台、甘酸っぱいレモンカード、軽いメレンゲの組み合わせを楽しめます。
レモンカードをなめらかに仕上げるポイントは、弱めの火加減で絶えず混ぜ、加熱後に裏ごしすることです。少し冷ましてからバターを加えれば、つやのあるクリームに仕上がります。
メレンゲは118℃のシロップを使ったイタリアンメレンゲにすると、形を保ちやすく、プロレシピのような見た目に近づけられます。レモンカードを完全に冷やし、食べる当日にメレンゲをのせることも大切です。
「シトロンヴェール」はライムを意味し、「タルトンシトロン」は一般的な菓子名ではなく、タルト・オ・シトロンの表記揺れと考えられます。まずは基本のレモンで作り、慣れたらライムを使った爽やかなアレンジも試してみてください。