迷ったらこの配合!フランスのタルトレシピ|ペッシュ・ポワール・ポムも解説

「タルト・ペッシュやタルト・ポワールを見かけても、何が入っているのか分からない」「果物をのせて焼いたら、生地が水っぽくなった」ということはありませんか。

フランスのタルト名は、使われている果物のフランス語が分かれば判断しやすくなります。基本となるアーモンドクリームの配合を覚えれば、桃、洋梨、りんご、ルバーブなどへ応用可能です。

この記事では、18cmのタルトペッシュを基本に、フランス語の名称や季節のアレンジをまとめます。

この記事で分かること

  • 18cm型で作る基本のフランスタルトレシピ
  • タルトペッシュの材料と作り方
  • ペッシュ・ポワール・ポムの意味
  • ポムフィーヌやヴァニーユなどの違い
  • ポティロン・ルバーブ・ルージュへのアレンジ
  • ヴォードワーズとヴァン・キュイの由来
  • フランスとポルトガルのタルトの違い

フランスのタルト名と果物の意味

フランスのタルトは「タルト+材料名」で呼ばれることが多く、果物名を知ると中身をイメージできます。

フランス語日本語一般的なタルト名
pêche(ペッシュ)Tarte aux pêches
poire(ポワール)洋梨Tarte aux poires
pomme(ポム)りんごTarte aux pommes
vanille(ヴァニーユ)バニラTarte à la vanille
potiron(ポティロン)かぼちゃTarte au potiron
rhubarbe(ルバーブ)ルバーブTarte à la rhubarbe
fruits rouges赤い果実・ベリー類Tarte aux fruits rouges

ペッシュはフランス語で桃を意味します。果物としての「pêche」には、最初のeにサーカムフレックスが付きます。

日本では「タルトペッシュ」と表記されることがありますが、フランス語では複数形を使った「Tarte aux pêches」が一般的です。同様に、洋梨のタルトは「Tarte aux poires」、りんごのタルトは「Tarte aux pommes」と表します。

基本のタルトペッシュレシピ

型に敷いた18cmのタルト生地へ、アーモンドクリームと桃を詰めて焼きます。タルト生地の詳しい作り方は繰り返さず、フィリングと焼成工程へ内容を絞ります。

材料

材料分量
型に敷いて冷やした18cmタルト生地1台分
無塩バター50g
粉糖50g
全卵50g・約1個分
アーモンドプードル50g
バニラオイル2~3滴
桃の缶詰約180g
アプリコットジャム大さじ1・任意
小さじ1・任意

生の桃も使えますが、水分量や熟し方によって焼き上がりが変わります。初めて作る場合は、水分を拭き取りやすい缶詰がおすすめです。

アーモンドクリームを作る

室温へ戻した無塩バターをボウルへ入れ、なめらかになるまで混ぜます。粉糖を加えてすり混ぜ、溶いた卵を3回ほどに分けて加えてください。

卵を一度に加えるとバターと分離しやすくなります。卵を加えるたびに、クリームが均一になったことを確認しましょう。

アーモンドプードルとバニラオイルを加え、粉っぽさがなくなるまで混ぜます。

桃を並べて焼く

桃の缶詰をキッチンペーパーで包み、水分をしっかり拭き取ります。5~7mm幅に切ってください。

冷やしたタルト生地へアーモンドクリームを広げ、桃を少しずつ重ねて並べます。170℃に予熱したオーブンで35~40分焼きましょう。

タルトの縁とアーモンドクリームに焼き色がつき、中央へ竹串を刺して生のクリームが付かなければ焼き上がりです。

完全に冷ました後、アプリコットジャムと水を温めて表面へ薄く塗ると、乾燥を防ぎながらつやを出せます。

ポワール・ポム・ルバーブへのアレンジ

基本のアーモンドクリームは、桃以外の果物にも使用できます。

タルト基本レシピからの変更点
タルトポワール桃を水気の少ない洋梨180gへ変更
タルトポム桃を薄切りりんご2個分へ変更
タルトルバーブ桃を下処理したルバーブ200~250gへ変更
タルトルージュ焼成後にいちごやラズベリーを飾る

ポワールとはフランス語で洋梨

ポワールはフランス語で洋梨を意味します。缶詰を使う場合は、シロップを切って水分を十分に拭き取ってください。

洋梨とアーモンドクリームを組み合わせたタルトは、洋梨を均等に並べると焼きムラを防げます。

ルバーブは砂糖をまぶして水分を切る

ルバーブは酸味が強く、水分も多い食材です。2cm幅に切ったルバーブへ重量の20%程度の砂糖をまぶし、30分ほど置いてから水分を切ります。

タルト生地へアーモンドクリームを広げ、ルバーブを並べて焼いてください。フランスのレシピでも、ルバーブとアーモンドクリームを組み合わせる方法が紹介されています。

タルトルージュは決まった一種類ではない

「rouge」はフランス語で赤を意味しますが、「タルトルージュ」という決まった一種類の伝統菓子があるわけではありません。

一般的には、いちご、ラズベリー、赤すぐりなどを使った「Tarte aux fruits rouges」を指して検索されている可能性があります。焼成済みのタルト台へバニラカスタードを詰め、赤い果物を飾る作り方が適しています。

ポムフィーヌとは薄いりんごタルト

迷ったらこの配合!フランスのタルトレシピ|ペッシュ・ポワール・ポムも解説
©Gemini

「ポムフィーヌ」で探されているタルトは、一般的に「Tarte fine aux pommes(タルト・フィーヌ・オ・ポム)」を指します。

薄く伸ばしたパイ生地へ、りんごを重ねて焼くシンプルなタルトです。アーモンドクリームを使うタルトポムよりも薄く、パリパリした食感を楽しめます。

簡単なタルト・フィーヌ・オ・ポムの作り方

冷凍パイシート1枚を18cm程度に伸ばし、フォークで全体へ穴を開けます。薄切りにしたりんご1個分を重ね、グラニュー糖15gと小さく切ったバター10gを散らしてください。

200℃に予熱したオーブンで20~25分焼き、縁が膨らんで焼き色がついたら完成です。

Larousseのタルトフィーヌも、パイ生地へ薄切りのりんごを並べて焼く構成になっています。

ヴァニーユとポティロンのタルト

タルトヴァニーユ

ヴァニーユはフランス語でバニラを意味します。タルトヴァニーユは、焼成済みのタルト台へバニラカスタードやバニラガナッシュを詰めたものが一般的です。

果物を使わない分、バニラの香りが味の中心になります。バニラオイルだけでなく、バニラペーストやバニラビーンズを使うと、香りに奥行きが出ます。

タルトポティロン

ポティロンは、フランス語でかぼちゃの一種を指す言葉です。タルトポティロンには、柔らかく加熱したかぼちゃを裏ごしし、卵、生クリーム、砂糖を混ぜたフィリングを使用します。

甘いデザートタルトだけでなく、チーズやハーブを加えた惣菜タルトにもできます。別に作成した惣菜タルトの記事と検索意図を分ける場合、このページでは甘いタルトポティロンとして扱うのが適切です。

ヴォードワーズとヴァン・キュイはスイスのタルト

ヴォードワーズとヴァン・キュイはフランス語の名称ですが、代表的なタルトはフランスではなく、フランス語圏スイスの郷土菓子です。

ヴォードワーズとは

「vaudoise(ヴォードワーズ)」は、スイスのヴォー州に由来することを表します。タルト・ヴォードワーズ・ア・ラ・クレームは、生クリーム、砂糖、シナモンを使った素朴なタルトです。

家庭向けヴォードワーズレシピ

18cmのタルト生地1台分に対し、生クリーム150ml、グラニュー糖60g、薄力粉8g、シナモン少々を使用します。

グラニュー糖と薄力粉を混ぜ、生クリームを少しずつ加えます。タルト生地へ流し、200℃のオーブンで25~30分焼いてください。

本場には、生地へ砂糖や粉を広げてからクリームを注ぐ作り方もあります。ヴォードワーズレシピは家庭ごとの差が大きく、生クリームの濃度や焼成温度によって仕上がりが変わります。

ヴァン・キュイとは

「vin cuit(ヴァン・キュイ)」は直訳すると加熱したワインですが、スイスのヴォー州やフリブール州では、りんごや洋梨などの果汁を長時間煮詰めた濃縮シロップを指します。

必ずしもワインやアルコールを使ったものではありません。タルト・オ・ヴァン・キュイは、濃縮果汁へ生クリームや卵を合わせて焼くスイスの郷土菓子です。

ポルトガルのタルトはフランス菓子ではない

「ポルトガルのタルト」として知られるのは、パステル・デ・ナタです。

薄いパイ生地へ卵黄を使ったカスタードを流し、高温で表面に焼き色をつけます。タルト生地とアーモンドクリームを使うフランス式のフルーツタルトとは、生地やフィリングが異なります。

ポルトガル政府観光局も、パステル・デ・ナタをパイ生地にクリームを詰めたポルトガルを代表する菓子として紹介しています。

そのため、ポルトガルタルトを詳しく扱う場合は、フランスのタルトとは別の記事に分ける方が検索意図を明確にできます。

フランスのタルトに関するよくある質問

フランス語の表記や、果物を変更する際に迷いやすいポイントをまとめました。

桃や洋梨の缶詰でも作れますか?

作れます。缶詰は味や柔らかさが安定しているため、焼き込みタルトに向いています。シロップを切り、キッチンペーパーで水分を拭き取ってください。

果物から水分が出るのを防ぐ方法はありますか?

果物の水分を拭き取り、アーモンドクリームの上へ重ねすぎないように並べます。冷凍果物は解凍して水分を切ってから使用してください。

アーモンドクリームが分離しても使えますか?

軽い分離であれば、アーモンドプードルを少量加えて混ぜると戻る場合があります。バターと卵の温度差を小さくし、卵を数回に分けて加えることが重要です。

タルトペッシュとタルトポワールは同じ配合で作れますか?

基本のアーモンドクリームは同じ配合で作れます。桃や洋梨の水分量によって焼き時間が変わるため、中央の焼き上がりを確認してください。

前日に作れますか?

焼き込みタイプのタルトペッシュやタルトポワールは前日に作れます。完全に冷ましてから密閉し、冷蔵保存してください。食べる少し前に室温へ戻すと、バターとアーモンドの風味を感じやすくなります。

まとめ

フランスのフルーツタルトは、タルト生地、アーモンドクリーム、果物を組み合わせるのが基本です。ペッシュは桃、ポワールは洋梨、ポムはりんごを意味し、基本配合の果物を変更することで季節に合ったタルトを作れます。

ポムフィーヌは、薄いパイ生地へりんごを並べる「Tarte fine aux pommes」を指します。ヴァニーユはバニラ、ポティロンはかぼちゃ、ルージュは赤い果実を表す言葉です。

一方、ヴォードワーズとヴァン・キュイはフランス語圏スイス、パステル・デ・ナタはポルトガルの菓子です。フランス語の名称だけで判断せず、発祥地や使われる生地、フィリングの違いも確認しましょう。