タルト用アーモンドクリームのレシピ|4材料同量で作るクレームダマンド

「アーモンドクリームを作ったら卵とバターが分離した」「焼いている途中でダマンドから油が染み出した」という失敗はありませんか?

クレームダマンドは材料を順番に混ぜるだけのシンプルなクリームですが、バターと卵の温度が違うと分離しやすくなります。また、空気を含ませすぎると焼成中に大きく膨らみ、冷めたときに中央がへこむことがあります。

基本となる配合は、バター・粉糖・卵・アーモンドプードルを同じ重量で使う「四同割」です。材料の温度と卵を加える量を守れば、家庭でもしっとり香ばしいアーモンドクリームを作れます。

この記事で分かること

  • クレームダマンドとアーモンドクリームの違い
  • 18cmタルトに使える基本のダマンドレシピ
  • 材料4つを同量にする基本配合
  • アーモンドクリームの分離を防ぐ方法
  • アーモンドプードルがない場合の対処法
  • ダマンドなしで作れるタルトの種類

ダマンドとはアーモンドクリームのこと

クレームダマンドは、バター、砂糖、卵、アーモンドプードルを混ぜて作る、焼き込み用のアーモンドクリームです。

フランス語では「crème d’amande」と表記され、「アーモンドのクリーム」という意味があります。日本のお菓子作りでは「クレームダマンド」「アーモンドクリーム」「ダマンド」と省略して呼ばれています。

呼び方意味
アーモンドクリームクレームダマンドの日本語での呼び方
クレームダマンドフランス語のcrème d’amandeをカタカナ表記したもの
ダマンドクレームダマンドを省略した呼び方
アーモンドプードルアーモンドを粉末状にした材料
アーモンドパウダーアーモンドプードルと基本的に同じ材料

「ダマンド」と「アーモンドプードル」は同じものではありません。アーモンドプードルは材料であり、バターや砂糖、卵と混ぜて完成したクリームがクレームダマンドです。

タルト用アーモンドクリームの基本レシピ

直径18cmのタルト1台分です。バター、粉糖、卵、アーモンドプードルを各50g使用します。

この4材料を同じ重量で配合する方法は「四同割」と呼ばれます。cottaのクレームダマンド解説でも、4材料を同量で使う配合が基本として紹介されています。

材料

材料分量
無塩バター50g
粉糖50g
全卵50g・Mサイズ約1個
アーモンドプードル50g
ラム酒小さじ1・好みで

ラム酒は香り付けなので、省略しても配合に大きな影響はありません。子どもや妊娠中の人が食べる場合など、アルコールを避けたいときは使用しないでください。

下準備

無塩バターと卵を冷蔵庫から出し、室温へ戻します。バターは指で押すと跡が付く程度の硬さが目安です。液体になるまで溶かさないでください。

卵はよく溶きほぐして50gを量ります。アーモンドプードルはダマがある場合、ザルでふるっておきます。

辻調理師専門学校の基本技法でも、バターと粉糖、卵、アーモンドパウダーを各50g使用し、卵が冷たいと分離の原因になると説明されています。

クレームダマンドの作り方

  1. 室温へ戻した無塩バターをボウルへ入れ、ゴムベラでなめらかなクリーム状になるまで練ります。
  2. 粉糖を加え、粉っぽさがなくなるまでゆっくり混ぜます。泡立てる必要はありません。
  3. 溶き卵を4~5回に分けて加えます。加えるたびに、バターと卵が完全になじむまで混ぜます。
  4. アーモンドプードルを加え、ゴムベラで均一になるまで混ぜます。
  5. ラム酒を使用する場合は最後に加えます。
  6. クリームの表面へ密着させるようにラップをかけ、冷蔵庫で30分以上休ませます。

泡立て器を使う場合も、勢いよく泡立てず、すり混ぜるように動かします。空気を多く含ませると、焼成中に必要以上に膨らむ原因になります。

アーモンドクリームをタルトへ使う方法

クレームダマンドは、そのまま食べるクリームではありません。タルト生地へ詰め、卵まで十分に加熱してから食べます。

タルトへの詰め方と焼き方

  1. タルト型へ敷き込んだ生地を、冷蔵庫で十分に冷やします。
  2. クレームダマンドを冷蔵庫から出し、ゴムベラで軽く練って硬さを均一にします。
  3. タルト生地へ厚さ約1cmになるように広げます。
  4. パレットナイフやスプーンで表面を平らにします。
  5. 好みで水分を切ったフルーツをのせます。
  6. 170℃に予熱したオーブンで約30~35分焼きます。
  7. 表面全体に焼き色が付き、中央を軽く押して弾力があれば焼き上がりです。

クレームダマンドは焼くと膨らむため、タルト台の縁いっぱいまで入れないでください。高さの半分程度を目安に入れると、あふれにくくなります。

富澤商店の基本の焼き込みタルトでも、クレームダマンドを平らに広げ、170℃で約30分焼く方法が紹介されています。

焼成温度や時間は、タルト生地の厚さ、型の素材、使用するオーブンによって変わります。焼き色が薄く、中央が柔らかい場合は追加で加熱してください。

クレームダマンドの4材料が持つ役割

基本のダマンドレシピは、4材料を同量で配合します。それぞれの材料には異なる役割があります。

材料主な役割
無塩バターコクとしっとりした食感を加える
粉糖甘さを付け、バターとなじみやすくする
全卵材料をつなぎ、焼くとクリームを固める
アーモンドプードルアーモンドの風味としっとり感を加える

同量配合は覚えやすく、使用するタルトの大きさに合わせて増減できます。例えば各材料を40gにすれば合計160g、60gにすれば合計240gのクレームダマンドになります。

卵は個数ではなく、溶きほぐしてグラムで量ることが大切です。卵が多すぎるとクリームが緩くなり、分離や焼き縮みが起こりやすくなります。

アーモンドクリームの分離を防ぐコツ

バターと卵の温度を近づける

柔らかいバターへ冷たい卵を加えると、バターが急に固まり、細かな粒ができて分離します。

バターと卵はどちらも室温へ戻してください。ただし、暑い時期に長時間常温へ置くのは避け、混ぜられる状態になったらすぐ作業します。

卵を少量ずつ加える

溶き卵を一度に加えると、バターが卵の水分を抱えきれず分離します。卵は4~5回に分け、前に加えた分が完全になじんでから次を加えましょう。

バターを溶かさない

バターを電子レンジで加熱しすぎて液体にすると、卵と均一に混ざりにくくなります。硬い場合は短時間だけ室温へ置き、ゴムベラで押して柔らかくします。

空気を含ませすぎない

クレームダマンドは、スポンジケーキのように膨らませるクリームではありません。白くふわふわになるまで泡立てると、焼成中に大きく膨らみ、冷めたときにへこみやすくなります。

バターと粉糖は、なめらかに混ざれば十分です。

分離した場合は温度を調整する

少し粒状になった場合は、ボウルの底をぬるま湯へ数秒当てながら混ぜると戻ることがあります。バターを溶かさないよう、温めすぎには注意してください。

反対にクリームが液体状になった場合は、冷蔵庫で5~10分冷やしてから混ぜ直します。

アーモンドプードルを加えると多少まとまりやすくなりますが、激しく分離した状態では焼いたときに油が染み出す可能性があります。

アーモンドプードルの選び方

アーモンドプードルとアーモンドパウダーは、基本的に同じ材料です。「プードル」はフランス語で粉を意味します。

アーモンドプードルには、皮を取り除いたタイプと皮付きタイプがあります。

種類特徴
皮なし色が明るく、クセの少ない上品な味
皮付き色がやや濃く、香ばしい風味が強い
ローストタイプ香りが強いが、商品によって油分が異なる

基本のタルトには、粒子が細かい皮なしタイプが使いやすいでしょう。焼き色や香ばしさを強くしたい場合は皮付きタイプも使用できます。

開封後のアーモンドプードルは油脂が酸化しやすいため、商品パッケージに記載された方法で密閉保存してください。

アーモンドプードルなしでもダマンドは作れる?

タルト用アーモンドクリームのレシピ|4材料同量で作るクレームダマンド
©Gemini

アーモンドプードルを使わず、薄力粉へ同量置き換えても、クレームダマンドと同じ味や食感にはなりません。

薄力粉にはグルテンがあるため、50gをそのまま置き換えると、しっとりしたクリームではなく硬いケーキ生地のような食感になる可能性があります。

アーモンドプードルがない理由によって、次のように対応しましょう。

粒のアーモンドから手作りする

アーモンド自体を食べられる場合は、無塩のアーモンドをフードプロセッサーで細かく砕いて代用できます。

  1. アーモンド50gと、レシピの粉糖の一部をフードプロセッサーへ入れます。
  2. 短時間ずつ回し、粒子が細かくなるまで砕きます。
  3. ペースト状になる前に止め、残りの粉糖と合わせます。

アーモンドだけを長時間回すと油が出て、アーモンドバターのような状態になります。連続運転せず、短く回して様子を確認してください。

市販のアーモンドプードルより粒が粗くなりやすいため、完成したダマンドはザクザクした食感になります。

ほかのナッツパウダーを使う

ヘーゼルナッツ、くるみ、ピスタチオなどのナッツパウダーを同程度の重量で使う方法もあります。

ただし、風味や油分が異なり、完成したクリームはクレームダマンドではなく、そのナッツを使った焼き込みクリームになります。

ナッツアレルギーがある場合は、別のナッツで代用せず、すべてのナッツを避けた専用レシピを使用してください。

アーモンドミルクでは代用できない

アーモンドミルクは液体なので、アーモンドプードルと同じ重量では代用できません。加えるとクリームの水分量が増え、タルトから流れ出したり、焼いても固まらなかったりする可能性があります。

ダマンドなしでもタルトは作れる

タルトにクレームダマンドは必須ではありません。タルト台をしっかり空焼きし、別のフィリングを詰めれば、ダマンドなしのタルトを作れます。

ダマンドなしの仕上げ方作り方の方向性
カスタードとフルーツ空焼きしたタルト台へ、冷たいカスタードを詰める
生チョコタルト空焼きした台へガナッシュを流して冷やす
チーズタルトチーズフィリングを入れて焼く
ムースタルト空焼きした台へムースを流して冷やす
ジャムタルトジャムやフルーツフィリングを入れて焼く

アーモンドプードルなしやナッツなしを優先する場合は、クレームダマンドの材料を無理に置き換えるより、最初からダマンドを使わないタルトへ変更する方が仕上がりが安定します。

食物アレルギーがある場合は、タルト生地、チョコレート、カスタードなどの原材料や製造環境も確認してください。

クレームダマンドで起こりやすい失敗

状態主な原因対処法
卵とバターが分離する卵が冷たい、一度に加えた室温へ戻し、4~5回に分ける
焼くと油が染み出る分離、バターの溶かしすぎ材料の温度をそろえる
焼成中にあふれるクリームの入れすぎタルト台の高さ半分程度にする
大きく膨らんでへこむ空気を含ませすぎた泡立てず、すり混ぜる
中央が生っぽい焼成不足、クリームが厚い表面と中央の状態を見て追加加熱する
食感がパサつく焼きすぎ、卵やバターが少ない材料を正確に量り、焼き時間を調整する
底が生焼けになるフルーツの水分が多いフルーツの汁気を切ってからのせる

タルトのアーモンドクリームに関するQ&A

ここでは、砂糖やバターの代用、保存方法など、クレームダマンド作りで迷いやすい点をまとめます。

粉糖はグラニュー糖で代用できますか?

同じ重量で代用できます。ただし、粒の大きなグラニュー糖はバターへなじみにくく、焼き上がりにざらつきを感じる場合があります。

できれば粒子の細かいグラニュー糖か粉糖を使用しましょう。

有塩バターでも作れますか?

無塩バターと同じ重量で作れますが、塩味が加わります。繊細な甘さに仕上げたい場合は無塩バターがおすすめです。

ラム酒は必要ですか?

香り付けなので省略できます。ラム酒を使わなくても、アーモンドクリームの配合や焼き上がりには大きく影響しません。

アーモンドクリームは空焼きしたタルト台へ入れますか?

生のタルト生地へ入れて一緒に焼く方法と、軽く空焼きしたタルト台へ入れて焼く方法があります。フィリングや使用するタルト生地によって異なるため、タルト全体のレシピに指定された方法を優先してください。

完全に焼き上げたタルト台へ入れて再度長時間焼くと、縁が焦げる場合があります。

クレームダマンドはそのまま食べられますか?

生の卵が含まれているため、そのまま食べず、必ず中心まで十分に焼いてください。作った後は長時間室温へ置かず、焼くまで冷蔵庫で保管します。

作り置きできますか?

密閉して冷蔵庫で保存し、できるだけ翌日までに使用しましょう。使用前にゴムベラで軽く練り、均一な硬さへ戻します。

冷たいまま無理に広げるとタルト生地を傷つけるため、混ぜられる硬さにしてから詰めてください。

どのフルーツと合いますか?

りんご、洋梨、桃、あんず、いちじく、ベリー、栗などと合わせやすいクリームです。

缶詰やシロップ煮のフルーツを使う場合は、キッチンペーパーで汁気をしっかり拭き取ってからのせてください。

まとめ

タルトに使用するアーモンドクリームは、クレームダマンドまたはダマンドと呼ばれます。基本配合は、無塩バター、粉糖、全卵、アーモンドプードルを同じ重量で使う四同割です。

18cmタルトでは各材料50gを目安にすると、覚えやすく調整もしやすくなります。バターと卵の温度をそろえ、卵を4~5回に分けて加えることが、分離を防ぐ重要なポイントです。

アーモンドプードルがない場合は、粒のアーモンドを細かく砕く方法があります。薄力粉やアーモンドミルクへ同量置き換えても、同じクレームダマンドにはなりません。

アーモンドを使用できない場合は、無理に代用品を入れず、カスタードや生チョコ、チーズなどを使ったダマンドなしのタルトへ変更しましょう。