タルトストーンとは?銀色の重石の使い方・洗い方と身近な代用品
「タルトを空焼きしたら、底が大きく膨らんでしまった」「側面の生地がずり落ちた」という経験はありませんか。
レシピに書かれている「重石」や、製菓用品売場にある銀色のやつが何なのか分からず、購入を迷う人もいるでしょう。
タルトストーンは、タルト生地を空焼きするときの失敗を防ぐために使う道具です。ただし、量や置き方が適切でなければ、十分な効果を得られません。
この記事ではタルト型の選び方には触れず、タルトストーンの役割・使い方・洗い方・代用品に絞って解説します。
この記事で分かること
- タルトストーンとは何に使う道具なのか
- 「重石」「重し」「石」「銀色のやつ」の意味
- タルトストーンの正しい使い方
- 18cm型に必要な量の目安
- 使用後の洗い方と保管方法
- 米や小豆などで代用する方法
- 重石なし・ストーンなしで焼けるケース
- 100均・ダイソー・ニトリで探す際の注意点
タルトストーンとは
タルトストーンとは、タルト生地やパイ生地を空焼きするとき、生地の上へ載せる製菓用の重しです。
「ストーン」「重石」「重し」「タルトを焼く重石」など、さまざまな名前で呼ばれています。
ストーンという名前ですが、一般的な製品は自然の石ではありません。銀色のやつは、アルミニウムなどの金属で作られたタルトストーンであることがほとんどです。
実際に富澤商店で販売されている製品も、アルミニウム製の「重石(タルトストーン)」として案内されています。
タルトストーンを使う理由
タルト生地だけを先に焼く「空焼き」では、加熱によって底に空気が入り、生地が膨らむことがあります。側面が縮んだり、内側へ倒れたりするのも代表的な失敗です。
紙を敷いた生地へタルトストーンを載せると、重さによって底の膨らみと側面のずり落ちを抑えられます。
底が平らに焼けるため、焼成後にカスタードクリームやフルーツを入れやすくなるのもメリットです。
必要なのは生地だけを空焼きするとき
タルトストーンが必要になるのは、主に次のようなタルトです。
- カスタードや生クリームを焼成後に詰めるフルーツタルト
- レモンカードやムースを流すタルト
- 生地だけを先に焼くチョコレートタルト
- フィリングを後から入れるパイやキッシュ
アーモンドクリームやチーズ生地などをタルト生地と一緒に焼くレシピでは、空焼き自体を行わないことがあります。その場合、レシピに指定がなければタルトストーンは不要です。
タルトストーンの種類
タルトストーンには、主に次のような種類があります。
| 種類 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| アルミ製 | 軽く、熱が伝わりやすい。粒状の商品が多い | 家庭で一般的なタルトを作る人 |
| ステンレス製 | 丈夫で、ボールチェーン状の商品もある | 一度に取り出しやすいものが欲しい人 |
| セラミック製 | 適度な重さがあり、繰り返し使える | 金属製以外を選びたい人 |
初めて購入する場合は、粒状のアルミ製が使いやすいでしょう。小さな粒が型の底や角へ入り、重さを均一にかけやすいからです。
ボールチェーン状の商品はまとめて取り出せますが、粒状のストーンよりも側面まで密着させにくい場合があります。
タルトストーンの正しい使い方
タルトストーンは、生地へ直接載せず、オーブンシートなどを間に敷いて使用します。
型へ敷いた生地を冷やす
タルト生地を型へ敷き、底へフォークなどで軽く穴を開けます。この作業が「ピケ」です。
生地が柔らかいまま焼くと、バターが溶ける前に形を保てず、側面が下がりやすくなります。型へ敷いた状態で冷蔵庫へ入れ、しっかり冷やしておきましょう。
後から液状のフィリングを入れる場合は、液漏れを防ぐため、底へ大きな穴を開けすぎないようにしてください。
オーブンシートを生地へ密着させる
生地より一回り大きく切ったオーブンシートを、底と側面へ沿わせるように敷きます。
紙が硬くて浮く場合は、一度丸めてから広げると型へ密着しやすくなります。耐熱性が確認できるアルミホイルでも代用可能です。
ストーンを生地へ直接載せると、生地に粒が食い込む場合があります。必ず紙やホイルを間に挟みましょう。
底だけでなく側面まで均等に入れる
タルトストーンを底全体へ広げ、できるだけ生地の側面近くまで入れます。
底の中央に少量だけ載せても、側面が内側へ倒れるのを十分に防げません。cottaでも、生地の高さまで均一に入れる方法が紹介されています。
途中で取り出して底を追加で焼く
温度と時間はレシピを優先しますが、一般的には170~180℃に予熱したオーブンで15~20分ほど焼きます。
生地の縁に焼き色がついたら、オーブンシートごとストーンを取り出し、底が乾くまでさらに5~10分焼きましょう。富澤商店のレシピでも、途中でタルトストーンを外して追加焼成する工程が採用されています。
焼成直後のストーンは非常に熱くなっています。素手では触らず、ミトンを使って耐熱容器へ移してください。
タルトストーンの必要量
必要な量は、タルト型の直径だけでなく、深さやストーンの材質によっても変わります。
アルミ製の場合、直径18cmのタルト型なら約330gがひとつの目安です。cottaの検証でも、330gで18cm型まで使用できると紹介されています。
ただし、浅い型と深い型では必要量が異なります。重さだけで判断せず、次の状態になっているかを確認してください。
- 底が見えない程度に敷き詰められている
- 型の角までストーンが入っている
- 側面の生地を内側から支えられている
- ストーンが一部分へ偏っていない
量が少ないと、底が膨らんだり、側面が波打ったりする可能性があります。大きな型を使う場合は、最初から余裕のある容量を用意しましょう。
タルトストーンの洗い方と保管方法
使用後は完全に冷めるまで待ち、オーブンシートから耐熱容器へ移します。
アルミ製タルトストーンの基本的な洗い方は、次のとおりです。
- 柔らかいスポンジを使用する
- 製品表示に従って水または中性洗剤で洗う
- 水分を十分に拭き取る
- 完全に乾燥させてから密閉容器へ入れる
- 湿気の少ない場所で保管する
富澤商店のアルミ製品では、柔らかいスポンジで洗浄し、十分に乾燥させるよう案内されています。
食洗機への対応や洗剤の使用可否は、製品によって異なります。変色や傷を防ぐため、パッケージに記載された手入れ方法を優先してください。
オーブンシートを敷いていて目立つ汚れがなくても、バターや生地の粉が付着することがあります。使用後に状態を確認し、汚れている場合は洗いましょう。
タルトストーンを代用できるもの

専用のタルトストーンがない場合は、乾燥米や乾燥豆などで代用できます。
| 代用品 | 使い方 | 注意点 |
| 乾燥米 | 紙を敷いた生地へ均等に入れる | 焼き色がつきにくいため、追加焼成で調整する |
| 小豆・大豆などの乾燥豆 | 生地の高さまで敷き詰める | 焼成後は製菓用の重しとして分けて保管する |
| 一回り小さい耐熱型 | 紙を挟み、生地の上から重ねる | 型同士が密着しすぎないサイズを選ぶ |
| 製菓用セラミックウェイト | タルトストーンと同様に使用する | 商品ごとの使用方法を確認する |
18cm型では、米や小豆も約330gがひとつの目安です。専用ストーンより熱が伝わりにくいため、紙と重しを外した後の追加焼成を少し長めに調整します。
一度重しとして加熱した米や豆は食用へ戻さず、冷ましてから「製菓用」と表示した容器へ保管すると管理しやすくなります。状態を確認しながら、重しとして繰り返し使用できます。
代用しないほうがよいもの
次のものは、オーブンでの耐熱性や食品への使用が確認できないため、代用品には向きません。
- 庭や河原で拾った自然石
- 水槽用や園芸用の石
- ビー玉やガラス玉
- 硬貨
- 釣り用のおもり
- グリル用の敷石
- 材質や耐熱温度が分からない金属
特にダイソーの「グリル敷石」は、魚焼きグリルの受け皿に敷く用途の商品です。タルトストーンとして販売されている製品ではないため、代用しないでください。
重石なし・ストーンなしでも焼ける?
重石なしでもタルトを焼ける場合はありますが、どのレシピにも使える方法ではありません。
重石なしでも作りやすいケース
- アーモンドクリームなどを生地と一緒に焼く
- レシピで空焼きが不要と指定されている
- 穴あきタルトリングと専用のシートを使用する
- 一回り小さい耐熱型で生地を押さえる
フィリングと一緒に焼く場合は、フィリング自体が重しの役割を果たすことがあります。
空のタルト台には重石を使うのがおすすめ
カスタードやムースを後から入れるため、生地だけを空焼きする場合は、タルトストーンを使うほうが安定します。
どうしてもストーンなしで焼く場合は、次の対策を組み合わせましょう。
- 型へ敷いた生地を十分に冷やす
- 底へ軽くピケをする
- オーブンシートを敷き、一回り小さい耐熱型を重ねる
- 焼成中に底が膨らんだら、取り出して優しく押さえる
ただし、途中で生地を押さえる方法は、やけどや生地割れの原因になります。初心者には、米や小豆を代用する方法が扱いやすいでしょう。
100均・ダイソー・ニトリで買える?
2026年8月27日に各社の公式オンラインストアを確認した時点では、ダイソーとニトリで「タルトストーン」という専用品の掲載は確認できませんでした。
ダイソーでは製菓型やオーブンシートなどを扱っていますが、検索で表示される「グリル敷石」や釣り用のおもりは用途が異なります。
ニトリではタルト型の掲載は確認できますが、専用のタルトストーンは見つかりませんでした。
100均・ダイソー・ニトリの商品や店舗在庫は、時期や地域によって変わります。購入前に公式サイトや利用店舗で確認してください。
確実に入手したい場合は、製菓材料店、製菓用品専門の通販サイト、大型スーパーの製菓用品売場で「タルトストーン」または「パイウェイト」を探す方法がおすすめです。
タルトストーンに関するよくある質問
タルトストーンを初めて使用するときに迷いやすい点をまとめました。
タルトストーンは生地へ直接載せてもよいですか?
直接載せず、必ずオーブンシートや耐熱性のある紙を敷いてください。生地へ粒が食い込むのを防ぎ、焼成後もまとめて取り出しやすくなります。
タルトストーンは何回使えますか?
アルミやステンレス、セラミックなどの専用品は、変形や大きな傷がなければ繰り返し使用できます。使用後は汚れを落とし、完全に乾燥させて保管しましょう。
毎回洗う必要はありますか?
バターや生地の粉が付着している場合は洗います。汚れが目立たない場合の手入れも含め、使用している商品の説明書を優先してください。
タルトストーンはいつ外しますか?
生地の縁が固まり、薄く焼き色がついた頃が目安です。ストーンを外した後は、底が乾いて焼き色がつくまで追加で焼きます。
ストーンを使っても側面が下がるのはなぜですか?
ストーンの量が少ない、生地が十分に冷えていない、紙とストーンが側面まで届いていないなどの原因が考えられます。底だけでなく、側面を内側から支えるように均等に入れてください。
タルト以外にも使えますか?
パイやキッシュなど、生地だけを先に空焼きする料理に使用できます。ただし、直火では使用せず、各商品の用途と耐熱条件を確認しましょう。
まとめ
タルトストーンとは、タルトやパイの生地を空焼きするときに、底の膨らみや側面のずり落ちを抑えるための重石です。
「ストーン」「重石」「重し」「石」「銀色のやつ」と呼ばれることがありますが、一般的な銀色の製品は自然石ではなく、アルミニウムなどで作られています。
使用するときは生地へオーブンシートを敷き、底から側面まで均等にストーンを入れます。18cm型なら約330gを目安にし、量よりも生地全体をしっかり押さえられているかを確認しましょう。
タルトストーンがない場合は、乾燥米や小豆で代用できます。一方、自然石やビー玉、釣り用のおもり、グリル敷石など、オーブンや食品への使用が確認できないものは使用しないでください。
焼成後は十分に冷まし、商品の説明に従って洗浄・乾燥させれば、繰り返し使用できます。