タルトのカスタードクリームは固めが正解!なめらかに仕上がる基本レシピ
切り分けた瞬間にカスタードが流れ出したり、時間がたってタルト台がしんなりしたりすると、見た目も食感も残念になってしまいます。
タルトに使うカスタードクリームは、シュークリームなどに使うものより少し固めに仕上げるのがポイントです。
この記事では、焼き上がったタルト台に詰めることを前提に、カスタードクリームの作り方を詳しく解説します。タルト生地そのもののレシピには踏み込まず、クリームの固さや加熱、冷やし方、組み立て方に焦点を絞っています。
この記事で分かること
- タルトに適したカスタードクリームの基本レシピ
- カスタードを流れにくい固さに仕上げる方法
- ダマや粉っぽさを防ぐ加熱のポイント
- カスタードクリーム・生クリーム・ホイップクリームの違い
- カスタードとホイップを合わせる方法
- タルト台が湿るのを防ぐ組み立て方
- カスタードタルトの保存方法と食べ切る目安
タルトには少し固めのカスタードクリームが合う
タルトに使うカスタードクリームは、スプーンですくった跡が残る程度の固さが適しています。
柔らかすぎると、タルトを切ったときにクリームやフルーツが崩れやすくなります。反対に固すぎると、口当たりが重くなり、タルト台との一体感がなくなってしまいます。
理想は、冷やした状態で形を保ちながら、口に入れるとなめらかにほどける固さです。
辻調理師専門学校でも、フルーツタルトの基本的な組み合わせとして、焼いたタルト生地にカスタードクリームを詰め、ホイップクリームやフルーツで飾る方法が紹介されています。
カスタード・生クリーム・ホイップクリームの違い
「クリーム」は、お菓子に使われるさまざまなクリームの総称です。カスタードクリーム、生クリーム、ホイップクリームは、それぞれ材料や作り方が異なります。
| 種類 | 特徴 | タルトでの使い方 |
|---|---|---|
| カスタードクリーム | 牛乳、卵黄、砂糖、粉類を加熱して作る | タルト台に詰めるメインのクリーム |
| 生クリーム | 泡立てる前の液状の乳製品 | カスタードに混ぜたり、泡立てて飾ったりする |
| ホイップクリーム | 生クリームなどを泡立てた状態 | デコレーションやカスタードのアレンジに使う |
| ディプロマットクリーム | カスタードとホイップクリームを混ぜたもの | 軽くなめらかなフルーツタルトに向く |
商品名としての「ホイップクリーム」には、乳脂肪だけでなく植物性油脂を使用した商品もあります。味や口溶けを重視する場合は、商品の原材料表示も確認しましょう。
タルト用カスタードクリームの基本レシピ
直径18cmのタルト1台に使いやすい分量です。焼成済みのタルト台は、完全に冷ましてから用意してください。
材料
| 材料 | 分量 |
| 牛乳 | 250ml |
| 卵黄 | 3個分 |
| グラニュー糖 | 55g |
| 薄力粉 | 15g |
| コーンスターチ | 10g |
| 無塩バター | 10g |
| バニラエッセンスまたはバニラペースト | 適量 |
| 焼成済みの18cmタルト台 | 1台 |
薄力粉だけでも作れますが、コーンスターチを組み合わせることで、タルトに詰めやすい固さと軽い口当たりを両立しやすくなります。
作る前の準備
- 薄力粉とコーンスターチを合わせてふるう
- 冷却用のバット、ラップ、保冷剤または氷水を準備する
- タルト台を完全に冷ます
- フルーツを飾る場合は、水分をキッチンペーパーで拭き取る
カスタードは完成してから素早く冷やす必要があります。加熱を始める前に、冷却の準備まで済ませておきましょう。
牛乳を温める
鍋に牛乳とバニラを入れ、中火にかけます。鍋の縁に細かな泡が出る程度まで温め、強く沸騰する前に火を止めてください。
冷たい牛乳をそのまま卵黄に混ぜるよりも、あらかじめ温めた方が短時間で均一に加熱できます。
卵黄と砂糖を混ぜる
ボウルに卵黄とグラニュー糖を入れ、泡立て器ですぐに混ぜます。少し白っぽくなったら、薄力粉とコーンスターチを加え、粉気がなくなるまで混ぜてください。
卵黄に砂糖を加えたまま放置すると、一部分だけ水分を奪われて粒状になることがあります。砂糖を入れたら、間を置かずに混ぜるのがポイントです。
温めた牛乳を加える
温めた牛乳を、卵黄のボウルに3回ほどに分けて加えます。最初は少量だけ加え、その都度よく混ぜて卵黄を徐々に温めましょう。
牛乳を一度に加えると、卵黄の一部だけに熱が入り、ダマになる可能性があります。
鍋に戻して加熱する
混ぜた液体をこしながら鍋に戻し、中火にかけます。泡立て器で鍋底や角まで絶えず混ぜてください。
次の変化が、炊き上がりの目安です。
- 全体にしっかりとろみがつく
- 中心から大きな泡が出る
- 粉っぽさがなくなる
- クリームに光沢が出る
- 一度固くなったクリームが、わずかになめらかになる
とろみが出た直後に火を止めると、粉の加熱が足りず、冷めてからゆるくなることがあります。鍋の中心までふつふつと沸き、つやが出るまで混ぜながら加熱しましょう。
富澤商店のカスタードレシピでも、中心まで沸騰させた後にバターを加え、ラップを密着させて急冷する方法が採用されています。
バターを加えて急冷する
火を止めて無塩バターを加え、余熱で溶かしながら混ぜます。清潔な浅いバットに移し、表面にラップをぴったり密着させてください。
バットの底を氷水に当てるか、ラップの上から保冷剤を置いて素早く冷やします。粗熱が取れたら冷蔵庫に移し、中心までしっかり冷やしましょう。
ラップを密着させることで、表面の乾燥や膜ができるのを防げます。
タルト台に詰める
冷えたカスタードをボウルに移し、ゴムベラでなめらかになるまで軽くほぐします。強く混ぜすぎると柔らかくなりやすいため、必要以上に練らないようにしてください。
完全に冷めたタルト台へカスタードを入れ、スプーンやパレットナイフで表面を整えます。フルーツを飾る場合は、外側から中心に向かって並べるときれいに仕上がります。
タルトのカスタードで失敗しないポイント

カスタードがゆるい場合
カスタードがゆるくなる主な原因は、粉類の計量不足や加熱不足です。
とろみが出た段階で火を止めず、鍋の中心まで沸騰して光沢が出るところまで加熱しましょう。また、温かいカスタードをタルト台に入れると、さらにゆるく見えるだけでなく、生地が湿る原因になります。
必ず中心まで冷やしてから詰めてください。
ダマができた場合
ダマができる原因には、次のようなものがあります。
- 温めた牛乳を一度に加えた
- 鍋を火にかけてから混ぜる手を止めた
- 鍋底や角まで混ぜられていなかった
- 火力が強すぎた
小さなダマであれば、熱いうちにこすとなめらかになることがあります。ただし、焦げた部分は混ぜ込まず、新しい容器へ移してください。
粉っぽい場合
粉っぽさが残る場合は、薄力粉やコーンスターチへの加熱が足りていません。
カスタードにとろみがついても、すぐには火を止めないようにします。全体が沸騰し、つやが出るまで加熱することが大切です。
表面に膜ができる場合
カスタードの表面が空気に触れたまま冷えると、乾燥して膜ができます。温かいうちにラップを表面へ直接密着させましょう。
膜ができたカスタードを無理に混ぜ込むと、小さな粒が残ることがあります。
タルト台が湿る場合
カスタードやフルーツの水分がタルト台へ移ると、サクサクした食感が失われます。
湿気を防ぐには、次の方法が効果的です。
- タルト台とカスタードを完全に冷ます
- 食べる数時間前から当日に組み立てる
- フルーツの水分を拭き取る
- タルト台の内側に溶かしたチョコレートを薄く塗る
- フルーツを飾った後、必要に応じてナパージュを塗る
ホワイトチョコレートを薄く塗ると、カスタードの色や風味を邪魔しにくく、水分を遮る層として使えます。
生クリームやホイップクリームを合わせる方法
軽い口当たりにするならディプロマットクリーム
濃厚なカスタードを軽くしたい場合は、ホイップクリームを混ぜます。このクリームは一般に「ディプロマットクリーム」と呼ばれます。
基本の割合は次のとおりです。
| 材料 | 分量 |
| 冷やしたカスタードクリーム | 200g |
| 生クリーム | 100ml |
| グラニュー糖 | 0~5g |
生クリームを7分立て程度に泡立てます。冷やしたカスタードをゴムベラでほぐし、ホイップクリームの3分の1を加えてなじませてから、残りを2回に分けて混ぜてください。
カスタードとホイップクリームを合わせたディプロマットクリームは、カスタードだけよりも軽く、ミルキーな味になります。
ただし、カスタード単体より柔らかくなるため、高く盛り付けるフルーツタルトでは入れすぎないようにしましょう。
ホイップクリームを飾りに使う場合
ホイップクリームは、カスタードに混ぜず、タルトの表面へ絞る方法もあります。
生クリーム100mlに対してグラニュー糖8g程度を加え、角の先が少し曲がる7~8分立てにすると、デコレーションしやすくなります。
カスタードをタルト台に詰め、フルーツを並べた後、隙間や中央にホイップクリームを絞ると華やかに仕上がります。
生クリームなしでも作れる
基本のカスタードクリームには、生クリームを入れなくても問題ありません。牛乳、卵黄、砂糖、粉類だけでも、濃厚でなめらかなクリームを作れます。
しっかりしたカスタードの味を楽しみたい場合や、フルーツを安定させたい場合は、生クリームを混ぜない方が適しています。
カスタードと相性のよいタルト
カスタードクリームは、酸味やみずみずしさのあるフルーツとよく合います。
| タルト | 組み合わせ方 |
| いちごタルト | カスタードを詰め、半分に切ったいちごを並べる |
| フルーツタルト | いちご、キウイ、オレンジ、ブルーベリーなどを組み合わせる |
| バナナタルト | バナナの変色を防ぐため、レモン果汁を少量絡める |
| 桃のタルト | 桃の水分をよく拭き、食べる直前に飾る |
| ブルーベリータルト | カスタードにレモンの皮を少量加えても合う |
| チョコタルト | カスタードに溶かしたチョコレートを加えてアレンジする |
水分の多いフルーツを使う場合は、カットしてからキッチンペーパーに置き、余分な果汁を取っておきましょう。
カスタードタルトの保存方法
完成したタルトは、乾燥しないようケーキカバーや保存容器に入れ、冷蔵庫で保存します。
カスタードは卵と牛乳を使った傷みやすいクリームです。辻調理師専門学校も、カスタード入りのタルトは作った当日に食べることを推奨しています。
室温に長時間置かず、持ち運ぶ場合は保冷剤と保冷バッグを使用してください。見た目やにおいに違和感がある場合は食べないようにしましょう。
タルトのカスタードに関するQ&A
タルト用カスタードを作るときに迷いやすいポイントをまとめました。
市販のカスタードクリームでも作れますか?
作れます。市販のカスタードが柔らかい場合は、タルト台へ薄めに詰め、フルーツを高く積みすぎないようにしてください。
カスタードパウダーを使う場合は、パッケージに記載された分量のうち、牛乳を少し控えるとタルト向きの固さに調整しやすくなります。
卵黄ではなく全卵でも作れますか?
全卵でも作れますが、卵黄だけで作るカスタードより色やコクが薄く、食感も変わります。今回の分量をそのまま全卵へ置き換えると固さが安定しないため、全卵用の配合で作るのがおすすめです。
薄力粉とコーンスターチは片方だけでも作れますか?
作れます。薄力粉だけの場合はやや重くしっかりした食感に、コーンスターチだけの場合は歯切れのよい軽い食感になりやすい傾向があります。
両方を組み合わせると、タルトに詰めやすい固さとなめらかさを両立できます。
カスタードに生クリームは必要ですか?
必須ではありません。濃厚で形を保ちやすいクリームにしたい場合は、カスタードだけで使用します。
軽い口当たりにしたい場合は、冷やしたカスタードにホイップクリームを混ぜてください。
カスタードクリームは冷凍できますか?
家庭で作った一般的なカスタードクリームは、解凍時に水分が分離して食感が変わることがあるため、冷凍保存にはあまり向いていません。必要な分だけ作り、冷蔵保存して当日中に使い切るのがおすすめです。
タルトへカスタードを入れるタイミングはいつですか?
タルト台とカスタードの両方が完全に冷えてから入れます。サクサク感を優先する場合は、食べる数時間前から当日に組み立てましょう。
まとめ
タルト用のカスタードクリームは、形を保てるよう少し固めに仕上げることがポイントです。
とろみがついただけで火を止めず、中心まで沸騰してつやが出るまで加熱します。完成後は表面へラップを密着させ、保冷剤や氷水を使って素早く冷やしましょう。
濃厚な味わいを楽しみたい場合はカスタードクリームだけで使用し、軽い口当たりにしたい場合は生クリームを泡立てたホイップクリームと合わせます。
タルト台とクリームを完全に冷ましてから組み立て、フルーツの水分を取り除けば、カスタードが流れたりタルト台が湿ったりする失敗も防ぎやすくなります。