マーマレードマドレーヌの作り方|べちゃつかない量と皮の苦味を生かす焼き方

瓶の底に少しだけ残ったマーマレード。

パンに塗るには足りないけれど、捨てるほどでもない。マドレーヌに入れればおいしそうなのに、スプーンですくうと果皮とジャム液が一緒に落ちて、生地がゆるくなりそうで手が止まる。

マーマレードマドレーヌで難しいのは、オレンジの香りを足すことではありません。果皮のほろ苦さを残しながら、ジャムの水分を生地へ広げないことです。

マーマレードをそのまま多く混ぜると、焼き上がりは一見きれいでも、冷める途中で底だけが湿りやすくなります。果皮を短く整え、ジャム液を少し切り、生地へ入れる場所を決めるだけで、バターの香りのあとに柑橘がふっと残るマドレーヌになります。

この記事で分かること

  • マーマレードマドレーヌがべちゃつきやすい理由
  • 瓶入りマーマレードの果皮とジャム液の扱い方
  • 卵1個分で作る、甘すぎない基本配合
  • マーマレードを生地へ混ぜる方法と中央に包む方法
  • オレンジ・甘夏・夏みかん・ゆず別の量の調整
  • 果皮が沈み、貝殻模様が崩れる失敗の防ぎ方
  • マーマレード入りでもへそを出しやすくする焼き方
  • 翌日も底が湿りにくい保存方法
  • マーマレードマドレーヌに関するQ&A
目次

マーマレードマドレーヌは、ジャム液を入れすぎないことが大切

マーマレードは、果肉や果皮だけでなく、糖分を含んだジャム液も多い材料です。

薄力粉を使うマドレーヌ生地へそのまま加えると、生地の水分量が増えます。すると、焼いている間に中心が持ち上がりにくくなり、冷めると果皮の周りだけがしっとりしすぎることがあります。

マーマレードは果皮とジャム液を分けて考える

マーマレードを使うときは、果皮を楽しむ分と、生地へ加える水分を別に考えます。

スプーンで取り出したマーマレードを茶こしへ入れ、30秒ほど置いてください。ジャム液が少し落ち、果皮を含んだ部分だけが残ります。

完全に水分を抜く必要はありません。果皮に少しジャム液が絡んでいるくらいが、焼き上がりの香りを残しやすい状態です。

卵1個分なら、マーマレードは20gから始める

薄力粉55g前後、卵1個のマドレーヌ生地なら、マーマレードは20gが扱いやすい量です。

果皮が太い、ジャム液が多い、甘夏や夏みかんのように苦味が強い場合は、15gから始めます。

反対に、オレンジマーマレードで果皮が細く、ジャム液も少ない場合は25gまで増やせます。

ジャム液だけを多く入れると、香りより甘さが残る

果皮を入れず、ジャム液だけを多く加えると、焼き上がりは甘くなります。

しかし、マーマレードらしい香りは弱く、バターの風味もぼやけやすくなります。

香りを出したいなら、ジャム液を増やすより、果皮を短く整えて使うほうが向いています。

マーマレードの果皮は5mmほどに切る

瓶入りマーマレードの果皮は、商品によって太さや長さが大きく違います。

長いまま生地へ入れると、果皮が型の底へ沈み、貝殻模様がきれいに出にくくなります。

長い果皮はキッチンばさみで切る

茶こしで軽く水気を切った果皮は、まな板へ移さず、キッチンばさみで5mmほどに切ります。

果皮を細かくしすぎると、焼いたときに存在感がなくなります。反対に、1cm以上の長さがあると、型から外すときに引っかかりやすくなります。

5mm程度なら、断面には果皮が見えながら、食べたときに苦味だけが強く残りにくくなります。

果皮が太いマーマレードは、量を少し減らす

夏みかん、甘夏、ゆずなどのマーマレードは、オレンジマーマレードより果皮が太く、苦味も出やすい傾向があります。

この場合は、基本の20gではなく15gほどにします。

果皮の存在感を出したいからと量を増やすより、細かく切って均一に散らしたほうが、ひと口ごとの香りが整います。

マーマレードマドレーヌの基本配合

材料

シェル型6〜8個分です。

材料分量
1個
グラニュー糖35g
はちみつ5g
薄力粉55g
ベーキングパウダー2g
無塩バター55g
ひとつまみ
マーマレード20g
バニラエッセンス2滴

マーマレードに糖分があるため、グラニュー糖はプレーンマドレーヌより少し抑えます。

ただし、砂糖を完全に抜くと、マーマレードの苦味が目立ちやすくなります。グラニュー糖35gとはちみつ5gを残すと、果皮のほろ苦さが甘さの中でなじみます。

バターは焦がさず、40℃前後まで冷ます

マーマレードの香りを主役にしたい場合、バターは焦がしバターにしません。

焦がしバターの香ばしさが強いと、オレンジやゆずの香りが埋もれやすくなります。

無塩バターを溶かしたら、ボウルの外側に触れて熱く感じない程度、40℃前後まで冷ましておきます。

卵と砂糖は泡立てすぎない

卵、グラニュー糖、はちみつ、塩をボウルへ入れ、泡立て器で40秒ほど混ぜます。

砂糖のざらつきが少し落ち着けば十分です。

マーマレードには水分があるため、卵をスポンジケーキのように泡立てると、生地が軽くなりすぎ、果皮が沈みやすくなります。

マーマレードを生地へ混ぜる方法

果皮が細く、ジャム液が少ないマーマレードなら、生地へ混ぜ込む方法が向いています。

焼き上がり全体に柑橘の香りが広がり、どこを食べても果皮の存在を感じやすくなります。

粉類を混ぜた後に加える

卵と砂糖を混ぜたら、薄力粉とベーキングパウダーをふるい入れます。

ゴムベラで粉気がなくなるまで混ぜ、冷ました溶かしバターを2回に分けて加えます。

生地につやが出たら、最後に水気を軽く切って刻んだマーマレードを加えます。

マーマレードを早い段階で入れると、混ぜる回数が増え、果皮が崩れてジャム液が生地へ広がりやすくなります。

混ぜる回数は8〜10回で止める

マーマレードを加えた後は、ゴムベラで底から返すように8〜10回ほど混ぜます。

果皮が全体へ散れば十分です。

なめらかにしようとして混ぜ続けると、果皮がつぶれ、焼き上がりがまだらになりやすくなります。

マーマレードを中央に包む方法

ジャム液が多いマーマレード、果皮が太いマーマレード、断面にオレンジ色の層を作りたい場合は、中央に包む方法が向いています。

この方法なら、果皮が型の底へ沈みにくく、貝殻模様も保ちやすくなります。

型へ生地を半量入れる

型へ生地を半量だけ入れます。

シェル型なら、型のくぼみが半分ほど埋まる量です。生地を入れたあと、型を台へ軽く1回だけ落とし、表面をならします。

マーマレードは1個につき小さじ1/3まで

中央に入れるマーマレードは、シェル型1個につき小さじ1/3ほどにします。

多く入れすぎると、焼いている間にジャム液が生地の外へ流れ、底が湿りやすくなります。

果皮が大きい場合は、果皮を1〜2片だけ選んで中央へ置き、ジャム液は少なめにします。

上から生地をかぶせて、果皮を見えなくする

マーマレードを置いたら、残りの生地を上からかぶせます。

果皮が表面から見えていると、焼いている途中で乾いたり、焦げたりしやすくなります。

中央のマーマレードが完全に隠れる程度まで生地をのせてください。

マーマレード入りでもへそを出しやすくする焼き方

マーマレードマドレーヌの作り方|べちゃつかない量と皮の苦味を生かす焼き方
©Gemini

生地は30分だけ休ませる

マーマレードを生地へ混ぜ込んだ場合も、中央に包む場合も、生地は冷蔵庫で30分ほど休ませます。

生地が少し落ち着くと、果皮やジャムが型の底へ沈みにくくなります。

ただし、長く冷やしすぎるとバターが固まり、絞り袋へ入れにくくなります。初めて作るなら30分で十分です。

型には7分目まで入れる

マーマレードを入れた生地は、果皮とジャムの分だけ中央が重くなります。

型いっぱいに入れると、生地が横へ広がり、へそが低くなりやすいです。

シェル型なら7分目まで、紙カップなら6〜7分目までにします。

180℃で10分から確認する

オーブンは180℃に予熱します。

シェル型なら10〜12分を目安に焼き、10分を過ぎたら焼き色を確認してください。

縁がきつね色になり、中央を軽く押して弾力があれば焼き上がりです。

最初の8分は扉を開けない

マーマレード入りの生地は、果皮とジャムの重さで中心が持ち上がりにくくなります。

焼き始めの8分で扉を開けると、庫内温度が下がり、へそが出る前に生地が落ち着いてしまいます。

焼き色が気になっても、まず8分は開けずに待ちます。

マーマレードマドレーヌがべちゃつく原因

ジャム液を切らずに使っている

マーマレードをスプーンですくったまま入れると、ジャム液が生地へ多く入ります。

特に瓶の底に近い部分は液体が多いため、そのまま使うと底が湿りやすくなります。

茶こしへ30秒置き、余分なジャム液を少し落としてから使ってください。

果皮を入れすぎている

果皮をたくさん入れると香りは強くなりますが、果皮の周りに水分が集まりやすくなります。

卵1個分の生地なら20gを基本にし、苦味が強い種類は15gに抑えます。

焼き上がり後、型に入れたままにしている

焼き上がり後に型へ長く入れたままにすると、果皮から出た蒸気が底にこもります。

焼き上がり後は1〜2分だけ置き、型から外して網の上で冷ましてください。

オレンジ・甘夏・ゆずで変えるマーマレードの量

オレンジマーマレードは20〜25g

オレンジマーマレードは、甘さと苦味のバランスが取りやすく、初めてのマーマレードマドレーヌに向いています。

果皮が細く、ジャム液が少ないタイプなら25gまで増やせます。

甘夏・夏みかんは15gから試す

甘夏や夏みかんは、焼くと果皮の苦味が強く感じられることがあります。

まずは15gから使い、砂糖は35gを残してください。

苦味を抑えたいからと砂糖だけを増やすと、甘さが重くなります。果皮の量を減らすほうが調整しやすいです。

ゆずマーマレードは10〜15gにする

ゆずマーマレードは香りが強く、少量でも存在感があります。

20g入れると、バターの香りよりゆずの苦味が前に出ることがあります。

卵1個分の生地なら10〜15gにし、果皮は特に細かく切って使うと食べやすくなります。

マーマレードマドレーヌの保存方法

完全に冷めてから個包装する

マーマレード入りマドレーヌは、果皮の周りに熱が残りやすいです。

表面だけが冷めたように見えても、中央はまだぬるいことがあります。

網の上で完全に冷まし、中央に触れても温かさを感じなくなってから、1個ずつ袋へ入れてください。

翌日までなら常温、2日以上先なら冷凍する

翌日までに食べるなら、個包装して涼しい場所で保存します。

マーマレード入りはプレーンマドレーヌより水分が移りやすいため、2日以上先に食べるなら、焼いた当日に冷凍するほうが向いています。

1個ずつラップで包み、保存袋へ入れてください。食べるときは常温で解凍し、香りを戻したい場合だけ電子レンジで5秒ほど温めます。

マーマレードマドレーヌに関するQ&A

Q. マーマレードは生地に混ぜても大丈夫ですか?

A. 果皮が細く、ジャム液が少ないタイプなら混ぜ込めます。

ただし、茶こしで30秒ほど水気を切り、果皮を5mm程度に切ってから、最後に加えてください。

Q. マーマレードを入れると、マドレーヌがべちゃつきます

A. ジャム液が多すぎる、果皮を入れすぎている、焼き上がり後に型へ入れたままにしている可能性があります。

マーマレードは卵1個分の生地に20gまでを目安にし、茶こしで軽く水気を切ってから使います。

Q. マーマレードの皮が苦いです

A. 甘夏、夏みかん、ゆずなど、苦味が出やすい種類を多く使っている可能性があります。

次回は15g以下に減らし、果皮を5mm程度に切ってください。砂糖を増やすより、果皮の量を調整するほうが食べやすくなります。

Q. マーマレードの代わりにオレンジジャムでも作れますか?

A. 作れます。

ただし、オレンジジャムは果皮が少ないため、マーマレードほどのほろ苦さや香りは出にくくなります。ジャム液が多い場合は、中央に包む方法を選ぶとべちゃつきを防ぎやすいです。

Q. 貝殻型がなくても作れますか?

A. 紙カップでも作れます。

紙カップでは生地を6〜7分目までにし、180℃で10分から焼き色を確認してください。

Q. マーマレードマドレーヌは翌日もおいしいですか?

A. 翌日も食べられます。

完全に冷めてから個包装し、涼しい場所で保存してください。ただし、果皮の水分で底が湿りやすいため、2日以上先に食べる場合は冷凍が向いています。

Q. マーマレードの香りをもっと強くしたいです

A. マーマレードを増やしすぎるより、オレンジの皮を少量加える方法が向いています。

国産オレンジの皮をすりおろし、小さじ1/2ほど加えると、果皮の苦味を増やさずに香りを強くできます。

まとめ:マーマレードマドレーヌは、果皮を生かしてジャム液を入れすぎない

マーマレードマドレーヌは、瓶入りのマーマレードでも作れます。

ただし、果皮とジャム液を同じように扱うと、生地がゆるくなり、底が湿りやすくなります。

失敗を防ぐポイントは次の通りです。

  • マーマレードは茶こしで30秒ほど水気を切る
  • 果皮は5mm程度に切る
  • 卵1個分の生地なら、マーマレードは20gを基本にする
  • 甘夏・夏みかんは15g、ゆずは10〜15gから試す
  • 果皮が細いタイプは生地へ混ぜ、太いタイプや水分が多いものは中央に包む
  • 型には7分目まで入れる
  • 生地は30分だけ休ませる
  • 180℃で焼き、10分から確認する
  • 焼き上がり後は1〜2分で型から外す
  • 完全に冷めてから個包装し、2日以上先なら冷凍する

マーマレードの魅力は、甘いだけではないところです。

バターの香りがほどけたあと、果皮のほろ苦さが少し残る。その余韻があると、いつものマドレーヌが、紅茶をゆっくり飲みたくなる焼き菓子に変わります。