マドレーヌはベーキングパウダーなしでも作れる?へそを出す泡立て方と失敗しない配合

ベーキングパウダーを入れようとして、棚を開けたら空だった。

生地はもう作り始めている。バターも溶かした。卵も出した。
ここで買いに行くほどではないけれど、ベーキングパウダーなしで焼いたら、平たいクッキーのようになる気もする。

マドレーヌは、ベーキングパウダーなしでも作れます。
ただし、いつものレシピからベーキングパウダーだけを抜くと、へそが出にくくなり、中央が沈みやすくなります。

ベーキングパウダーなしで作るなら、膨らむ力を卵の泡に任せることが大切です。砂糖と卵をどこまで泡立てるか、粉を入れた後に何回混ぜるか、予熱が終わったオーブンへ何分以内に入れるか。この細かい動きで、焼き上がりは大きく変わります。

この記事で分かること

  • マドレーヌはベーキングパウダーなしでも作れるのか
  • ベーキングパウダーなしでふくらませる卵の泡立て方
  • へそを出しやすくする生地の休ませ方と焼き方
  • ベーキングパウダーを入れ忘れた生地の救済方法
  • 重曹で代用しないほうがよい理由
  • ホットケーキミックスならベーキングパウダーを足さなくてよい理由
  • 米粉マドレーヌをベーキングパウダーなしで作るときの注意点
  • 膨らまなかったマドレーヌをおいしく食べ切る方法
目次

マドレーヌはベーキングパウダーなしでも作れる

マドレーヌは、ベーキングパウダーなしでも作れます。

ただし、ベーキングパウダー入りのマドレーヌとは、少し違う仕上がりになります。

ベーキングパウダー入りは、焼いている途中で生地の中にガスが発生し、中央を押し上げます。一方、ベーキングパウダーなしでは、卵に含ませた空気がふくらみの中心になります。

そのため、ベーキングパウダーなしのマドレーヌは、ふわふわというより、きめが細かく、しっとりした焼き菓子になりやすいです。

ベーキングパウダーなしでは、へそが小さくなりやすい

マドレーヌの中央にできるへそは、冷えた生地が高温のオーブンへ入ったとき、中心が勢いよく持ち上がることでできます。

ベーキングパウダーなしでもへそは作れますが、ベーキングパウダー入りより高く大きなへそを期待すると、少し物足りなく感じるかもしれません。

へそを最優先にするならベーキングパウダー入り、きめ細かいしっとり感を優先するならベーキングパウダーなし、と考えると選びやすくなります。

ただ抜くだけでは、平たくなりやすい

いつものレシピからベーキングパウダーだけを抜き、卵を軽く混ぜるだけで焼くと、ふくらみが足りなくなります。

ベーキングパウダーなしで作るときは、卵と砂糖を共立てでしっかり泡立てるか、卵白をメレンゲにして生地へ加える必要があります。

初めてなら、卵を分けずに作れる共立ての方法が扱いやすいです。

ベーキングパウダーなしで作るマドレーヌの基本配合

材料

シェル型6〜8個分です。

材料分量
1個
グラニュー糖45g
はちみつ8g
薄力粉55g
無塩バター55g
ひとつまみ
バニラエッセンス2〜3滴

この配合では、はちみつを少し入れます。

はちみつは膨らませる材料ではありませんが、ベーキングパウダーなしで高さが出にくい生地でも、しっとり感を補いやすくなります。

バターは先に溶かし、40℃前後まで冷ます

無塩バターは電子レンジか湯せんで溶かします。

溶かした直後の熱いバターを卵へ入れると、せっかく含ませた空気が抜けやすくなります。

バターは指でボウルの外側に触れて、熱いと感じない程度、40℃前後まで冷ましておきます。

卵と砂糖は湯せんで人肌まで温める

耐熱ボウルへ卵、グラニュー糖、はちみつ、塩を入れます。

40℃前後の湯せんに当てながら、泡立て器で混ぜます。指で生地に触れたとき、冷たさがなく、人肌程度になったら湯せんから外します。

冷たい卵のまま泡立てるより、砂糖が溶けやすく、空気も入りやすくなります。

白っぽくなり、線が2秒残るまで泡立てる

ハンドミキサーを使い、高速で3〜4分ほど泡立てます。

生地が白っぽくなり、持ち上げた生地で表面に線を描いたとき、2秒ほど線が残れば泡立て完了です。

ここで泡立てが足りないと、ベーキングパウダーなしでは高さが出にくくなります。

反対に、泡立てすぎてボソボソになった場合は、焼き上がりが乾きやすくなります。線が2秒残る状態を目安に止めてください。

粉を入れた後は、泡をつぶさないことが最優先

薄力粉はふるって2回に分けて加える

薄力粉はふるってから、卵の生地へ半量ずつ加えます。

ゴムベラをボウルの底まで入れ、底から持ち上げて返すように混ぜます。

粉気が見えなくなったら止めます。なめらかにしたくて混ぜ続けると、卵の泡が抜け、焼き上がりが平たくなります。

溶かしバターは少量の生地と先に合わせる

溶かしバターをそのまま生地へ入れると、重いバターが底に沈み、泡がつぶれやすくなります。

まず、泡立てた生地をゴムベラで2杯ほど取り、溶かしバターのボウルへ加えます。ここでよく混ぜて、バターと生地の濃さを近づけます。

そのあと、バターの生地をメインのボウルへ2回に分けて戻し、底から返すように混ぜます。

このひと手間で、ベーキングパウダーなしでも生地が沈みにくくなります。

混ぜ終わりは、つやが出た瞬間に止める

バターが見えなくなり、生地につやが出たら混ぜ終わりです。

ゴムベラで何度も生地を押しつけると、空気が抜けます。

ベーキングパウダーなしのマドレーヌは、ここで混ぜすぎると、へそが出ないだけでなく、中央がへこみやすくなります。

ベーキングパウダーなしでもへそを出す生地の休ませ方

生地は冷蔵庫で20〜30分休ませる

ベーキングパウダーなしでも、短時間生地を休ませると、型へ流したときにだれにくくなります。

ただし、長く冷やしすぎると、卵の泡が落ちやすくなります。

ベーキングパウダー入りのマドレーヌのように一晩休ませるより、20〜30分ほどで焼くほうが扱いやすいです。

型へ流す前に混ぜ直さない

冷蔵庫から出した生地は、少しだけとろみが増します。

ここで「固くなった」と感じて泡立て器で混ぜ直すと、せっかくの空気が抜けます。

ゴムベラで底から1〜2回だけ返し、すぐに絞り袋へ入れて型へ流してください。

型には7分目まで入れる

ベーキングパウダーなしの生地は、大きく膨らまないからといって、型いっぱいに入れるのは避けます。

入れすぎると、中央が持ち上がる前に横へ広がり、へそが低くなります。

シェル型なら7分目まで、深めの紙型なら6〜7分目までにします。

ベーキングパウダーなしのマドレーヌは190℃で短く焼く

オーブンは190℃までしっかり予熱する

ベーキングパウダーなしでへそを出したいなら、予熱が足りない状態で焼かないことが重要です。

オーブン表示が190℃になった直後ではなく、予熱完了の音が鳴るまで待ちます。

予熱が終わる少し前に、生地を型へ流し終えておくと、完了後すぐに入れられます。

焼き時間は9〜11分から確認する

190℃に予熱したオーブンで、9〜11分を目安に焼きます。

型の大きさやオーブンによって差があるため、9分を過ぎたら焼き色を確認してください。

縁がきつね色になり、中央を軽く押して弾力があれば焼き上がりです。

焼き色を濃くしようとして長く焼くと、ベーキングパウダーなしのマドレーヌは特にパサつきやすくなります。

最初の7分は扉を開けない

焼き始めの数分は、卵の泡が熱で広がる大切な時間です。

最初の7分で扉を開けると、庫内温度が下がり、中央が持ち上がる前に生地が落ち着いてしまいます。

焼き色が心配でも、7分までは扉を開けないでください。

ベーキングパウダーを入れ忘れたときの対処法

マドレーヌはベーキングパウダーなしでも作れる?へそを出す泡立て方と失敗しない配合
©Gemini

粉を入れる前なら、すぐに追加できる

卵、砂糖、バターを混ぜた段階で入れ忘れに気づき、まだ薄力粉を入れていないなら、薄力粉とベーキングパウダーを合わせてふるい入れます。

この段階なら、通常通り作れます。

粉を混ぜた後なら、無理に追加しない

薄力粉を混ぜ終え、バターまで入れた後に気づいた場合、ベーキングパウダーをそのまま加えて混ぜ直すのはおすすめしません。

粉が均一に混ざらず、苦い部分ができたり、混ぜすぎで生地が重くなったりします。

この場合は、ベーキングパウダーなしのまま焼いてください。

もし卵をほとんど泡立てていない生地なら、へそは期待せず、薄めでしっとりした焼き菓子として仕上げるほうが失敗を広げません。

型を小さくすると、火通りを助けやすい

ベーキングパウダーを入れ忘れた生地は、深い型より小さめの型へ入れるほうが扱いやすいです。

深さがあると中央が火通りしにくく、表面だけ焼けて中央が重く残ることがあります。

ミニマドレーヌ型や小さな紙カップへ分け、180℃で7〜9分から確認すると焼きやすくなります。

マドレーヌでベーキングパウダーの代わりに重曹は使える?

重曹を同量で置き換えるのは避ける

重曹は、ベーキングパウダーの代用品として同じ量を入れるものではありません。

重曹は酸性の材料と反応して膨らみます。レモン果汁、ヨーグルト、ココアなどの酸性材料が少ないマドレーヌに入れると、膨らみが足りなかったり、独特の苦味や石けんのような風味が出たりします。

バターとバニラの香りを楽しむマドレーヌでは、重曹の風味は目立ちやすいです。

レモン入りでも、初めてなら使わない

レモン果汁を入れるマドレーヌなら、重曹を使えると考える人もいます。

ただし、レモン果汁の量と重曹の量の調整は難しく、入れすぎると色や香りに影響します。

ベーキングパウダーがないなら、重曹へ置き換えるより、卵を泡立てるベーキングパウダーなしの作り方を選ぶほうが安定します。

ホットケーキミックスならベーキングパウダーは追加しない

ホットケーキミックスには、一般的に膨張剤が含まれています。

そのため、ホットケーキミックスでマドレーヌを作る場合、別途ベーキングパウダーを追加する必要はありません。

むしろ追加すると、膨らみすぎて形が崩れたり、独特の膨張剤の風味が出たりすることがあります。

ホットケーキミックスの生地は泡立てすぎない

ホットケーキミックスを使う場合は、ベーキングパウダーなしの共立て生地とは作り方が変わります。

卵と砂糖をしっかり泡立てて高さを出す必要はありません。材料を混ぜすぎず、粉気がなくなったら止めるほうが、しっとり仕上がりやすくなります。

米粉マドレーヌをベーキングパウダーなしで作るときの注意点

米粉は小麦粉より泡を支えにくい

米粉はグルテンを作らないため、卵の泡を抱え込む力が弱くなりやすいです。

ベーキングパウダーなしで米粉マドレーヌを作ると、小麦粉のマドレーヌより高さが出にくく、冷めると縮みやすいことがあります。

米粉を使うならメレンゲ法が向く

米粉でベーキングパウダーなしのマドレーヌを作るなら、卵白をメレンゲにする方法が向いています。

卵黄、砂糖、溶かしバター、米粉を混ぜた生地へ、角が軽くおじぎする程度のメレンゲを3回に分けて加えます。

共立てより工程は増えますが、米粉でも軽い食感を出しやすくなります。

製菓用米粉を選ぶ

米粉は、粒子が細かい製菓用を使います。

料理用の米粉は粒が粗いことがあり、生地がざらついたり、泡をつぶしやすくなったりします。

膨らまなかったマドレーヌをおいしく食べ切る方法

薄いマドレーヌは、温めると香りが戻る

ベーキングパウダーなしで平たくなったマドレーヌでも、味まで失敗とは限りません。

電子レンジで5秒ほど温めると、バターの香りが戻り、しっとり感を感じやすくなります。

温めすぎると水分が抜けるため、5秒ずつ様子を見てください。

半分に切ってラスク風にする

かなり薄く、食感が重い場合は、横半分に切って低温で焼きます。

120℃のオーブンで15〜20分ほど乾かすと、バターの香りが残るラスク風のお菓子になります。

焦がさないよう、途中で一度様子を見てください。

ジャムやクリームをはさむ

平たく焼けたマドレーヌは、2枚を重ねてジャムやホイップクリームをはさむと、見た目も食べ応えも整います。

いちごジャム、マーマレード、ピスタチオクリームなどを薄く塗ると、ベーキングパウダーなしで出やすい密度のある食感が生かせます。

マドレーヌのベーキングパウダーなしに関するQ&A

Q. マドレーヌはベーキングパウダーなしでも膨らみますか?

A. 卵をしっかり泡立てれば、ある程度は膨らみます。

ただし、ベーキングパウダー入りより大きなへそは出にくくなります。卵と砂糖を白っぽくなるまで泡立て、190℃までしっかり予熱したオーブンで短く焼くと、高さを出しやすくなります。

Q. ベーキングパウダーなしでも、マドレーヌのへそはできますか?

A. 小さめならできます。

生地を20〜30分だけ冷やし、型へ7分目まで流し、190℃の予熱が完了したオーブンへすぐ入れてください。焼き始めの7分は扉を開けないことも大切です。

Q. ベーキングパウダーを入れ忘れた生地は捨てるべきですか?

A. 捨てなくて大丈夫です。

粉を混ぜた後なら、無理にベーキングパウダーを追加せず、そのまま小さめの型で焼いてください。へそは出にくくなりますが、しっとりした焼き菓子として食べられます。

Q. ベーキングパウダーの代わりに重曹を使えますか?

A. 基本的にはおすすめしません。

重曹は酸性材料が少ないと膨らみにくく、苦味や独特の風味が出やすくなります。マドレーヌなら、重曹を使うより卵を泡立てて作る方法が向いています。

Q. ホットケーキミックスならベーキングパウダーは不要ですか?

A. 多くのホットケーキミックスには膨張剤が入っているため、追加は不要です。

パッケージの原材料表示で「膨張剤」または「ベーキングパウダー」の記載を確認してください。

Q. ベーキングパウダーなしのマドレーヌは、翌日もおいしいですか?

A. 個包装すれば翌日も食べられます。

完全に冷めてから1個ずつ袋へ入れ、涼しい場所で保存してください。食べる前に電子レンジで5秒ほど温めると、バターの香りが戻りやすくなります。

Q. ベーキングパウダーなしのマドレーヌがへこみました

A. 卵の泡が足りなかった、粉やバターを混ぜすぎた、予熱が足りなかった可能性があります。

次回は、卵と砂糖を線が2秒残るまで泡立て、粉を入れた後は最小限に混ぜ、190℃まで予熱が完了してから焼いてください。

まとめ:ベーキングパウダーなしのマドレーヌは、卵の泡を守れば作れる

マドレーヌは、ベーキングパウダーなしでも作れます。

ただし、いつものレシピからただ抜くだけでは、平たくなったり、へそが出なかったりします。

成功させるポイントは、次の通りです。

  • 卵と砂糖を人肌まで温めて泡立てる
  • 生地の線が2秒残るまで泡立てる
  • 粉を入れた後は、底から返すように最小限に混ぜる
  • 溶かしバターは少量の生地と先に合わせる
  • 生地は20〜30分だけ冷やす
  • 型には7分目まで入れる
  • 190℃までしっかり予熱してから焼く
  • 最初の7分は扉を開けない
  • ベーキングパウダーを入れ忘れた後は、無理に混ぜ直さない
  • 重曹は安易に代用しない

ベーキングパウダーがない日は、マドレーヌを諦める日ではありません。

卵の中に含ませた空気を、粉を混ぜる手つきと、オーブンへ入れるタイミングで守る。そうすると、大きなへそではなくても、きめ細かく、バターの香りがまっすぐ残るマドレーヌになります。